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藤井あかし

Author:藤井あかし
藤井あかしの個人BLOGです。
BLやいわゆる腐女子系の話題が多いのでご注意ください。

戦国無双の真田兄弟にやられているので、多分その話が多いです。
幸村×信之と
宗茂×信之の
小説を書いたり書かなかったり。

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宗兄 「風邪っぴき宗さん」 現パロ

   
不意に降って来た、定番風邪ひきネタ。(でもまだ出来上がってないので、
看病だけ)
宗兄、と言うか宗之。

拍手ありがとうございました!
読んで戴けてうれしいです!!


==============================

「おかゆが食べたいんだが」
「…作ればいいんじゃないのか」
「俺がおかゆなんか作れる訳がないだろう?」
「なんで威張ってるんだ…」
そう言って、信之は大きくため息をついた。
今朝、出社したら隣のデスクに居る筈の同僚の姿が無かった。他の同僚に聞く所によると、どうやら風邪を引いて、休んでいるのだと言う。
そう言えば昨日、少し咳をしていたなと思い当たり、さほど気にする事もなく信之は今日の仕事に取りかかった。
そうして、てきぱきと仕事をこなし、10:30の小休憩に入った時だった。
缶コーヒーを飲みつつ、ふと携帯を見ると着信が入っている。名前を見れば、本日病欠中の同僚「立花宗茂」からだ。
何だ?と思いつつフロアを出、電波のよく入る廊下の窓辺から電話を掛けてみた。
3コール程で繋がり「もしもし」と言う、珍しく弱々しい宗茂の声が電話の向こうから聞こえてきた。
電話、掛けてきてただろう?どうした?と聞けば開口一番、「おかゆが食べたい」である。
宗茂も一人暮らしで、しかも、故郷が九州なので身近に世話を見てくれる家族はいない。
とは言え、実家が大変な金持ちな為、週一でハウスキーパーさんは来てくれているらしいが、彼女がしてくれるのは掃除と洗濯だけなので、食事は全て外で済ませているらしい。
「昨夜から何も食ってないんだ」
「…とりあえず、コンビニにでも」
「コンビニのごはんは好きじゃない」
贅沢言っている場合か、と思わず喉まで出かかった台詞を信之はどうにか、飲み込む。
仮にも相手は病人だ。
「そうは言っても、私だって最低でも5時までは上がれないぞ」
「ああ、熱が上がってきた。38度もある。死ぬ」
「おい」
「23歳の青年が自宅マンションで孤独死か。短い人生だっ…ゴホゴホ」
「ああ、もう!とにかく、夕方までは無理だから。終わったら、そっちに行くから」
…その後、どういう訳だが内勤である信之に外回りの簡単な仕事が与えられ、しかもそのまま直帰して良い、とのお達しが出た。忙しい時期ではないとはいえ、通常あり得ないその采配に首を傾げながら、信之は会社を出た。


宗茂のマンションは、都内一等地の高層マンションの一室だ。信之の1LDKの部屋など、宗茂の部屋のリビングの広さにも満たないだろう。一度だけ入った事があるが、一人で住むのには広すぎるんじゃないか?と思う程、広くて綺麗でお洒落な部屋だった。
途中で立ち寄ったスーパーで買い込んできた食材を片手に、エレベーターで宗茂の部屋のあるフロアへ向かう。さっきマンションの玄関でインターホンを鳴らしたら、鍵は開けてある、と言っていた。
「立花」と書いてある表札のある部屋を探し、そっとその鉄の扉を開ける。
「宗茂?入るぞ?」
中に向かって声を掛けるがいらえはない。靴を脱ぎ、以前来た時の記憶を頼りに、宗茂の寝室を探す。リビングから通じている一枚板の木の扉が、彼の寝室の筈だ。
「宗茂?」
扉を数度叩けば、中から「いる…」とだけ声が返ってきた。仕方なく扉を開けると、寝室のセミダブルのベッドの上で丸くなっている宗茂の姿が見えた。
「宗茂、体調はどうだ」
「よくない」
少しばかり不機嫌な声で、宗茂が答える。顔を覗き込むと、流石に少しやつれている様子で目にいつもの挑戦的な光が無い。額に手をやれば、手の平に伝わる温度は確かに熱かった。
38度と言うのは、大袈裟ではないのかも知れない。
「薬は?」
「飲んでない。薬は家においてない」
「そうか、念のために買って来ておいて正解だったな」
食材の調達のついでに、ドラッグストアで市販の風邪薬を買っておいた。万一、無駄になっても自分用に使えば良いと思って買ったのだが、どうやら出番はあるようだ。
「とりあえず、おかゆを作れば良いのか?」
「ああ、腹が減った」
「食欲があるなら大丈夫だな、ちょっと待ってろ」
ぽん、と軽く宗茂の体を叩き、信之は台所に向かった。本人は普段、コーヒーを入れる位しかしない、と言っていたから台所には食材と言える物が殆ど何もなかった。
一応、炊飯器やレンジもあるのだが、あまり使った形跡はない。どれもちゃんとしたメーカーの一流品ばかりなのに勿体ないな、と思いながら、信之は持ってきた米を研ぎだした。
キッチンの中から適当に見付けてきた片手鍋に水を入れ、米を煮る。その間に葱を刻み、食器を用意した。味付けは、熱で味が解らなくなっているかもしれないから、少し濃い目で。
出来上がったおかゆを器に盛ると、トレイに乗せて寝室へと運んだ。
「宗茂、ほら、おかゆ出来たから」
「ん…」
そこでようやく、宗茂はもそもそと体を起こした。見ると、昨日のワイシャツを寛げたままの格好の様だ。
「パジャマは?」
「着替えるのが面倒だった…」
そんなに具合が悪かったのか、と信之は内心、驚いた。宗茂は言動は不可解な所も多く、人を茶化したりすることも多いが、だらしない事はしない男だ。
「着替えた方がいいな、パジャマはどこだ?クローゼットか?」そう尋ねれば、ん、と頷きつつおかゆを口に運び出した。
寝室の壁一面に作りつけられたクローゼットを開ければ、ずらりと並んだスーツやコートが目に入り、その下の方に沢山の引き出しがあるのが見えた。適当に幾つか開けてみると、黒のパジャマの上下セットが見つかった。
「それを食べたら、これに着替えるんだ。後、薬も買って来てあるから、食べてから飲むと良い。1回3錠だ」
パジャマを宗茂の寝ているベッドの上に置き、信之はさて、と立ち上がって、部屋から出ようとした。それを見た宗茂が眉を顰め、掠れた声を掛けてくる。
「どこに行くんだ」
「帰るつもりだけど」
「何故」
「何故って…おかゆは作ったし、薬も用意したし」
「もう今日は仕事はないんだろう」
「ないけど」
「じゃあ、ここにいろ」
何故、と今度は信之が返す番だった。
「まだ、俺の熱は下がっていないし、おかゆを食べ終わってもいないぞ」
ベッドの上の宗茂は大いに不服げで、このまま大人しく帰してくれる気はないらしい。信之は今日、何度目かのため息を付き
「なんだ、私に甘えたいのか?」と冗談半分で言った。
「そうだ」
それに対する宗茂の答えは至って簡単で、けれど、信之の目を驚きで見開かせるには十分な衝撃があった。
「……彼女にでも頼めばいいだろうに」
なんでか焦る心を読み取られまいと、出来るだけ平常を装って信之は言葉を返す。
「生憎、“彼女”は今、いなくてね。それにいたとしても俺が今、甘えたいのはお前だ」
「……」
何と返せばいいのか分からず、信之はその場に立ち尽くす。
信之、と宗茂が自分を呼ぶ声をどこか遠くに聞き、ぎこちなく顔をその方へ向けた。
「ちゃんと俺が食べ終わって、薬を飲んで、眠るまで、ここにいるんだ」
「なんなんだ、それは…」
言いたい事を言い、何食わぬ顔でおかゆを再び食べ始めた宗茂に、信之は脱力する。
なんでか顔が熱いのは、宗茂の熱でも移ったか。
呆然と立ち尽くす信之に、宗茂がポンポンと自分のベッドの縁を叩いて見せた。ここに座れ、と言う事らしい。仕方なく、信之は宗茂の示した場所に腰を下ろした。

結局、信之はこの後、宗茂がおかゆを2杯食べ、薬を飲むのを見守り、その後力尽きた様に眠るまで傍にいた。
宗茂の寝息が深くなったのを確認してから、食器を片づけ、残りのおかゆを冷蔵庫に入れてからこっそりと部屋を後にする。
外に出ると、もう夕方近い時刻になっていた。
そう言えば宗茂に掛かりきりになってしまって、つい、ご飯を食べそびれてしまっていた。今日は適当に弁当でも買って帰るとしよう。
そう思いながら、夕日の中を信之はゆっくり歩いていく。明日、仕事場に行ったら宗茂は来ているのだろうか。
眠っている間に出てきてしまったから、文句を言われるかもしれないな。その様子を想像して信之は、ほのかに胸の内が温かくなるのを感じていた。


おわり


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