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藤井あかし

Author:藤井あかし
藤井あかしの個人BLOGです。
BLやいわゆる腐女子系の話題が多いのでご注意ください。

戦国無双の真田兄弟にやられているので、多分その話が多いです。
幸村×信之と
宗茂×信之の
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宗茂×信之 【現パロ 芸能界編】 ※未完

   
「綺麗な顔ですけど、やっぱり地味な印象ですね。」
マネージャーのそのセリフに宗茂は振り返った。
「S-BROSの真田信之さん。弟の方と比べると華やかさにかけると言うか」
「お前にはあれが地味に見えるのか」
宗茂は、ふ、と鼻で笑う。
真田信之とはつい先刻、初めて顔を会わせた。
S―BROSと言う最近、人気急上昇中のアイドルグループの一人。それが宗茂が事前に仕入れた彼の情報だった。
その真田信之が宗茂の主演する映画に脇役で出演する事になった。今日はその顔合わせで出演する役者が一堂に会したのだが、
「今日会った役者たちの中でも、あの男が一番美しかった、と俺は思ったがな」
「そう、ですか?」
信之が組んでいるユニットS―BROSは信之とその実の弟、幸村とで構成されていて、明るく爽やかな弟に比べて、物静かな兄の信之はどちらかと言うと地味で暗い、と言うのが巷の印象だ。そもそもこの二人でユニットを組んだのも、弟が街でスカウトされ、ついでに横にいた兄も事務所に連れて行かれて、まとめてデビューと言う事になった為らしい。
兄は弟のおまけ、とすら悪意ある連中の間では言われている。
芸能一家に生まれ、幼い頃から役者一本で生きてきた宗茂は、あまり流行りのアイドルに詳しくない。だから、事前に共演者の事は知っておきたいと思い、予めネットで彼の事を調べていた。確かにその時仕入れた情報ではマネージャーの言う通り、地味で暗いと言うのが概ねの評価であった。だから、油断していたのもあったが
(あれを地味、で片付けるとは、世間の連中の目はまったく宛てにならんな)
黒のセーターに黒のジーンズと言う服装で宗茂の前に現れた彼を一目見た時、その造形の美しさに心底、感嘆した。白い肌に整った鼻梁、形の良い薄く淡い色の唇。
印象的な鋼色の髪は綺麗に整えられ、雪原の中に立つ美しい一本の木を思わせる様な静謐な美しさに満ちていた。
――初めまして、立花宗茂殿。
柔らかな優しい声は耳に心地よく響き、弟だけじゃなくこの兄もデビューさせようと決意した事務所の社長の判断はまさしく英断だったと、宗茂は心中で賛辞を贈った。
「黒はこの世で一番派手な色だと言う人がいる」
「はぁ」
「その黒を身に纏い、従わせられるのは実はそんなに多くいる訳じゃない。皆、黒色の力を借りてそれなりに見せかけてるだけだ。だけど、あの男は黒に負けていなかった」
美しい。
今作の相手役は雑誌やTVでも人気NO1と謳われる美人女優だが、宗茂の頭の中には自分の友人役で出る映画初出演のアイドル歌手「真田信之」の事で頭が一杯になっていた。



朝一番で愛車を駆って撮影所に乗り付け、セットのあるスタジオへと向かう。遅刻などは決してしない。仕事を一度引き受けた以上、熱があろうと何だろうと完璧にこなす。
それは宗茂が幼い頃より、両親から一番に教育されてきた事であった。
スタジオに入れば、既に撮影準備を始めているスタッフの中に、背の高い鋼色の髪の男が見えた。真田信之だ。
邪魔にならないように隅の方に立ち、台本を熱心に読んでいる。
主演の宗茂は当然、初日から撮影があったが信之は今日が初めてだ。相当、集中しているようで宗茂が近寄って行っても、気づく様子が無い。
その真摯な横顔に早いですね、と声を掛ければ弾かれたように顔を上げ、
「おはようございます、立花さん。今日はよろしくお願いいたします」と宗茂に向き直り頭を深く下げてきた。
「おはよう、真田信之さん」
宗茂はなるべく柔らかく聞こえるように声を掛け、自然に隣に並び立った。
「緊張してますか」
「ええ、お芝居とか全く初めてな物で」
「文化祭とかでも?」
「表に出るのは苦手なので、いつも裏方に回ってました」
「でも、今は人前で歌も歌っている」
「歌う時もいつも緊張してます。それでもいつもは、弟が傍にいるので心強いのですが」
「ああ、今日は一人だから」
「ええ、先程から手の震えが止まらないんです」
ほら、と信之は自分の両の手を広げて、宗茂に見せた。元より白いであろう手が、血の気を失い、小刻みに震えているのが解る。
宗茂はその指先を掬う様に取った。そして、己の息のかかるほどに口元へと寄せ本当だ、と笑った。
ちらと信之の顔を盗み見れば、宗茂の行動に驚いたのか目を丸く見開き、その頬を赤く染めている。白い肌に昇った朱がなんとも鮮やかで、やはり思った通り綺麗な男だ、と宗茂は胸の内で確認し、笑んだ。
「知らない人の前だから、緊張するのでは?」
「そう、かも知れません」
「真田さん、あなたの演じる役は俺の親友だ。」声を潜めて宗茂は言う。
「必ずしもそうならない事もあるが、俺は共演者とは常にコミュニケーションを取って、家族や親友の様に接していきたいと思ってる。それが自分と深く関わりのある役の方なら尚更。」
そこで宗茂は、とびきりの笑顔を信之に向けた。自分が演じられる中でも最高の「良き隣人」の顔で。
「演じる、のではなく親友の俺と話しているのだと思えばいい。セットの外にいるスタッフは皆、自分の家族だ。そこで喋ったり、飯を食ったりするだけだ」
そう思えば、難しい事でもないだろう?そう言って宗茂は、信之の手をそっと離した。
「俺も準備をしてくる。また後で会おう、…信之」
「は、はい」

直前まで台本を読んでいただけの事はあって、信之の初めての演技は思ったよりスムーズに進んだ。勿論、質としては「初心者にしては」と言うレベルではあったが。
それでも、台詞を完全に覚えて来ていたのは上出来であったし、信之のミスよりも共演の他の俳優のそれの方が多かった位だ。



(つづ…かない)


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