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藤井あかし

Author:藤井あかし
藤井あかしの個人BLOGです。
BLやいわゆる腐女子系の話題が多いのでご注意ください。

戦国無双の真田兄弟にやられているので、多分その話が多いです。
幸村×信之と
宗茂×信之の
小説を書いたり書かなかったり。

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メリクリ 宗兄

   
大急ぎで仕上げた宗兄クリスマス小説。
現パロ。
宗さんがプレイボーイです、注意、と思ったが本編も割とそんなだった
気がするね。でも一応、注意。
エロはないよ!珍しいね!!


つづきからどうぞー 

12月25日追記
拍手お礼、書き忘れておりました><
いつもありがとうございます!!これからもがんばりマッスル!!


缶のプルタブを引くと、ぷしゅ、と小さな音が響き、中から甘い果実の匂いがふわりと上がってくる。ビールや日本酒も好きだが、少し疲れた今日の体には、甘くアルコール度数の低いカクテル位がちょうど良い。
一口飲めば、喉の奥に流れたそれがじわじわと体の隅々にまで行き渡るような感じがして、その心地良さに信之は、思わずほう、と息を漏らした。

今日は朝から、何かと忙しかった。年末の大掃除の為に洗剤や掃除道具を求めてホームセンターやスーパーをハシゴし、その勢いで部屋に帰ってすぐ、掃除に取り掛かった。年末には帰省するのでその前に、この一人暮らしの部屋の掃除は済ませておかねばならない。今日がクリスマスであろうと、そんな事は関係なかった。
(どうせ彼女もいないし、家族はみんな実家だしな)
元々、掃除は普段からしてるから然程汚れてはいないが、それでも行き届かない場所はある。
寝室と小さなリビングと台所だけ、と言う狭いアパートでも、隅々まで掃除すれば終わる頃にはもう、すっかり日が暮れていた。
普段は自炊も苦にならないが、流石に今夜は食事を作る気にならず、信之はコンビニへ向かった。酒と幾つかのつまみを買い、それを夕食代わりにする。つまみの中にチキンを混ぜたのはせめてもの慰めだ。
酒とつまみで空腹を満たし、一息ついた所で時計を見ればもう9時を回っていた。
(さて、この後は風呂にでも入って寝るとするか…)
今頃、家族や友人はご馳走や酒を前にお祭り気分を満喫している頃だろうか。その様子を思い描き、少しばかり感傷に浸る。
誘いが無かった訳ではないのだ。会社の同僚や友人たちから飲み会への参加を聞かれたし、故郷の家族からも今年のクリスマスは戻れないのか?と電話で聞かれた。
その全てを断ったのは、一人の男の存在故、だ。
その男は信之の会社の同僚で、立花宗茂と言う。今頃はどこかのお屋敷に招かれて、賑やかにやっている事だろう。宗茂は今は、信之と同じ会社に勤めているが行く行くは総資産何百億と言う家を継ぐ予定の、所謂「御曹司」と言う奴だ。
加えて容姿端麗で、仕事も優秀、判断力に優れ、スポーツも万能。いう事なしのお坊ちゃま、なのだ。
――ひどく気まぐれで、我儘な事を除けば。
その男と、信之は今、微妙な関係にあった。
ひょんな事から、信之は彼と体の関係を持ってしまったのだ。酒の勢いではあったが、二人とも酒にはそこそこ強く、前後不覚になった故の失態ではない。
向こうは知らないが、おそらく自分の方は宗茂に好意を抱いていたのだと思う。
(でなければ到底、受け入れられなかっただろうし)
けれど、と信之は思う。
(あいつはどう考えているのか解らない)
嫌われている訳ではない、と思う。だが、向こうは時々、GFを作ってそちらとも仲良くやっている様で、それに気付いて信之が距離を取ろうとすると、また何食わぬ顔でアパートを訪れる。そうして信之の作った飯を食い、肌を合わせて眠る――その繰り返しだった。
「私はセフレとかそういうのを作る気はないんだ」
一度、そう告げた事がある。すると宗茂は一瞬、目を丸くしてきょとんとした後、
「ああ、俺も作る気はない」と言い放った。
「…そう、なのか」
「そうだぞ」何を訳の分からない事を言っているんだ、と言わんばかりの宗茂の口調に
「私は、お前はそういうつもりでいるのかと思っていた」
「そういうつもり、とは何だ?」
「私をセフレだと思っているんじゃないか、て事だ」
そう言うと宗茂はますます訝しげな顔になり、それからひどく綺麗な顔で笑った。
「お前はそんなんじゃないぞ…何だ、近頃構わなかったから拗ねているのか?」
「違う」
「その代わり、昨夜はたっぷり可愛がっただろう?それとも、足りなかったか」
「…違う!」
思わず叫びそうになった口を、唇で塞がれ誤魔化されるようにベッドに連れ込まれ――、後は向こうの思うままだった。

(セフレじゃないなら何なんだ…)
信之は缶に残った酒を飲み下しつつ、思う。恋人やそう言った関係であるとは言い難い。
現に宗茂は今日だって、新しいGFを連れてそのパーティーに参加しているのだ。
いっそ自分も割り切って彼女を作ってしまおうか、時々そんな風にも考えるが、生真面目な性格の信之にはそれは二股をかけているようにしか思えず、踏ん切りがつかなかった。
(やはり、はっきりさせないといけない、な)
こんなよく解らない関係でいるのは、どうにもすっきりしない。もし、次に、あいつがこの部屋に来たい、と言ってきても断ろう。そうすべきだ。お互いの為にも。
酒のせいではなく胸がきゅうと締めつけられる心地がしたが、大丈夫だ、今なら、まだ。
そう心の中で決め、テーブルに缶を置いた、その時だった。
不意にテーブルの隅に置いていたスマホが震えて、信之は物思いから現実に引き戻された。この震え方はLINEが来た通知音だ。慌てて手に取って通知欄を確認する。
宗茂からのLINEだった。
『今、なにしてる』
何という事もない文だったが、今考えていた事が事だけに、心が読まれていたのかと思う程に驚いた。
(無視しようか)そう思ったが、もうTLを開いてしまったから、既読がついてしまっているだろう。
暫く逡巡し、信之はそろそろと返信を打った。
「酒を飲んでる」
そっけない短い文を送り、テーブルに置き直すとまたすぐに通知音が鳴った。
『一人でか』
「そうだ」と打ち返せば
『今、家にいるのか』と即座に返って来る。
「家だよ」
『今から行ってもいいか』
その文字の並びに、信之の手が止まる。たった今、付けた決心を試されるようなその問いに信之はいよいよ迷い、混乱した。会いたくない、と言えば嘘になる。けれど、顔を見るのはひどく怖かった。
会えばきっと、この決心が揺らいでしまうだろう。
「嫌だ」
短く打ち、送信する。すると、また今度もすぐに返信が返って来た。
『なんで』
「会いたくない」
『俺は会いたいんだが』
「どうせ、また仕事で会うだろう?」
『俺は今、会いたい』
「駄目だ」
それを打ち込んでから、ほんの数秒後だった。インターホンのベル音が室内に鳴り響いた。
ぎく、と体が震え、思わず腰が浮く。もう夜もかなり遅くなっている。こんな時間に尋ねてくる人に思い当りはなかった。
(一体、誰だ)と考え、それから信之はあ、となった。恐る恐るインターホンに出る。
どちら様ですか、とマイク越しに問えば
「開けてくれ、寒い」
と予想通りの声が聞こえてきた。宗茂、だった。
「…帰ってくれ」
「嫌だ、寒い。Jからわざわざここまで来たんだぞ」
Jは有名な高級住宅街だ、確かに宗茂は今日はそこの知人のパーティーに招かれていると言っていた。信之の住まう所からは結構な距離がある。ここに来るまでに自宅のマンションがある筈なのに。
「家に帰れ」
「嫌だ、と言うか何を怒ってる?」
「…怒ってない」
「じゃあ、開けてくれ。寒い」
「……」
「信之」
甘えるような声に遂に、信之は折れた。仕方ない、風邪を引かれても困る、自分にそう言い訳をしながら渋々、ドアのチェーンを外しノブを回す。
そっとドアを押しあけると、ポーチの灯りの下に見慣れた綺麗な顔が極上の笑みを浮かべて立っていた。
宗茂は開いたドアの隙間からするりとその体を滑り込ませて、玄関に素早く入り込むと、信之の体をぎゅう、と抱き締めてきた。いつものムスクの香りと、少し、酒の匂いがする。
「…彼女はどうした」
「ん?ああ、ちゃんと送って来たさ、心配ない」
「クリスマスに彼女を放っておくのか」
「元々、パーティーに連れていく用に作った彼女だ。向こうもそれは承知さ」
「……」パーティー用、と信之が思わず呟くと
「ああいう場には連れを用意していかないと、色々拙いんだ…ああ、しかし腹が減ったな」
「パーティーで食べなかったのか」
「軽食は用意されていたが、どうも酒ばかり進んでな…」
お前のご飯が食べたい、と耳元で囁いてくる。甘い声音に僅かに体を強張らせながら、信之はそれでも何気ない風を装う。
「残念だが、今日はご飯を作ってない。掃除が忙しかったからな…私もそんなに食べてないんだ」
「ん?そうなのか?じゃあ今から作ってくれ、一緒に食おう」
「嫌だ、疲れてるのに」
「簡単なのでいい」
「急に来て無茶振りするな」少し強い声で言っても、宗茂はどこ吹く風で抱き付いたまま頬を摺り寄せてくる。
(ああ、いけない)宗茂が自分に触れる度、囁く度に、先ほどまでの強張り、冷えきっていた心が、柔らかく解けて行くのが解る。
(ここで絆されて、どうする)
今回の彼女がパーティー用だとしても、宗茂にとって自分がどんなモノなのかは分からないままじゃないか。何も解決していない。
「とにかく、今夜は駄目だ。米も炊いてないし、何もない。明日の朝なら作っても…」
「ん、そうか。じゃあお前の飯は明日まで我慢しよう。近くの店に食いに行くか」
しまった。
(これじゃ、泊まる事を承諾したような物じゃないか)
慌てて訂正しようとするが、上手い言葉が見つからない。
「ほら、上着を取ってこい。ファミレスならまだ開いてるだろう?」
宗茂に肩を押され、信之は結局、リビングに掛けてあるコートを取りに戻った。コートを羽織って信之が玄関に戻ってくると、宗茂が上機嫌で手を差し出してくる。
意図が解らず、首を傾げると、ん、と促すように言って信之の手を取った。手を繋ごう、と言う事らしい。
「バ…っ、誰かが見たらどうするんだ」
「イブの夜だ、皆、酔っぱらってると思うさ。現に俺もお前も、酒が入ってる」
そう言って、強引に外へと連れ出される。革の手袋に包まれた大きな手に導かれ、信之は夜道を歩く事になった。途中、何人かの人達とすれ違い、やはり変な顔をされたが、宗茂は全く頓着せずスタスタと歩いて行く。
恥ずかしさに信之は顔も上げられないままだったが、どうしてか握られた手を振りほどく気にはなれなかった。
自分もそうしたかったからか。それとも。
(手が、痛い…)絡められた指先が、思った以上に強くて、熱い。
思えば珍しい事だ。今まで室内では手をつないだりキスする事はあっても、外ではこんな事をした事は無かったのに。
浮かれているのか、イブだから。いずれにしても、この男らしくない。
「信之」
不意に宗茂に呼ばれ、信之は何だ、と俯いたまま返す。
「今度、旅行に行こう。お前の行きたい所。どこでもいいぞ」
「…どういう風の吹き回しだ」
「お前がいないとどうも、つまらなかった、」今日のパーティーも芸能人なんかも呼んで、中々の盛況だったんだが、俺はどうにも楽しめなくてな、と宗茂は歩きながら続ける。
「何が足らないのかな、と思っていろいろ考えて、あ、お前がいないからだな、と気づいたんだ。そう言えば彼女を捕まえるのにバタバタしててお前に長い間、会えなかった」
そこで、宗茂は立ち止り、信之の方に振り返った。そうして、やはりいつものとても綺麗な顔で笑って、言った。
「だから、足りない分を、補充しないといけないな、と思ってな。二人でゆっくり旅行に行こう」
「……」
「補充させてくれ、お前を」
信之は深く、深くため息をついた。まったく、この男はずるい。そんな風に言われたら、断れないじゃないか。
わかった、小さくそう返すと、宗茂の体からほんの少し、力が抜けたようだった。
「じゃあ、約束だ。これが俺からのクリスマスプレゼントだ。メリークリスマス」


おわり


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