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藤井あかし

Author:藤井あかし
藤井あかしの個人BLOGです。
BLやいわゆる腐女子系の話題が多いのでご注意ください。

戦国無双の真田兄弟にやられているので、多分その話が多いです。
幸村×信之と
宗茂×信之の
小説を書いたり書かなかったり。

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メリクリ宗兄2

   
昨日と言うか、深夜と言うかに上げたクリスマス宗兄小説の宗茂視点バージョン。
流石に一気に2本書くのは無理だったのだぜ。

早速の拍手ありがとうございました!!感謝です!!


つづきからどうぞーー



あの男が、自分にとってどういう存在なのか。
正直言うと、宗茂自身もよく解ってない。
顔は綺麗だ、性格もいい。生真面目で融通が利かない所もあるが、概ね寛大。過剰なブラコンな所はアレだが、友達思いな面もある。
何より料理が上手い。聞けば、生まれはN県で東の方なのだが、母親が九州出身らしい。
(道理で舌に合うはずだ。何を作らせても美味い)
とは言え、それがこの男を抱く理由になるのだとは流石に思ってはいなかった。


今日、パーティーに連れてきた「彼女」は取引先で知り合った女性だ。何度か食事をし、デートを重ねてから、この場に連れてきた。今日のパーティーの主催は親の代から付き合いのある家の御子息で、宗茂の古い友人でもある。公私ともに重要な「お付き合い」を求められる場に連れて行けるような女性を探すのには、苦労した。
ただ「食事に連れて行く」だけの女性ならば幾らでも調達出来るが、こういう場に連れてくる場合はそれなりに話術の優れた、品の好い女性でなくてなならない。
今回、連れてきた「彼女」は大手会社の重役の秘書をやっているだけあって、賢く、上品な女性だ。その彼女がパーティー客の中に混じって、卒なく会話をこなしているのを横目で確認し宗茂は一人、場から離れ、テラスへと出た。
部屋を出た途端に冷たい外気が体を包み、ぶるり、と一つ身震いする。
食事も酒も程々に嗜み、場の雰囲気も良い。友人とも久しぶりに話をしたし、首尾は上々と言えるだろう。
(さて、この後はどうするかな)
遠方から来た客は泊まっていく者も何人かあるようだが、宗茂は遠いと言っても十分帰る事の出来る距離だ。今の内なら彼女を家まで送っていっても、日付が変わる事は無いだろう。
(信之は、どうしてるかな)
あれがクリスマスをどう過ごすのか、宗茂は聞いていなかった。と言うより聞き出せなかったのだ。ここの所、信之には避けられている、と思う。
理由は解っている。自分が「彼女」を作ったせいだ。
宗茂はモテる。そして独り身で、日々の食事はほとんど外食で済ませていた。
勿論、一人で食事もできるのだが、それはどうにも味気ないので、ちょくちょく適当な相手を捕まえては食事に連れて行く。男といくのもいいが、どうせなら女性がいい。
そうやっていると、何となく一定の相手とよく食事をする事があり、それが続くと「彼女」のようなものになってしまうのだ。
すると、信之は週末の宗茂の訪問をやんわり断る様になってくる。宗茂からすればそれとこれとは別問題、としたい所なのだが、信之の部屋に泊まる際にしている様々な事を思えばそれはいかにも「都合の良い話」になるのだろう。
勿論、公私混同する様な男ではないから、社内ではごく普通に振る舞っているし、会話もする。しかし、会話の中に明らかな一線が引かれてしまうのだ。
クリスマスの予定もさり気なく聞こうとしたが、ああ、まあね、と軽く流され、結局聞き出せないままで今日を迎えてしまった。
信之の手料理もここ一月以上、一口も食べていない。肌にも触れていない。
ふぅと一つ、長く息を吐く。息は白い煙になって、ゆっくり空気の中に溶けて行った。
(つまらないな)
背後から聞こえる、室内の賑やかな音が酷く遠く感じる。自分の話に静かに相槌を打つ、信之の穏やかな声が聞きたい、と思った。
ああ、まったく、どうにも味気ない。


彼女をマンションまで送り届けた後、宗茂は信之の家の方へと車のハンドルを切った。
この時間ならおそらくどこに出かけていたとしても、家に戻っている可能性は高い。あいつは深夜まで起きていられないのだ。
多分、「今から行く」と連絡をしても、断られるだろう。でも玄関前まで行ってしまえば、あいつは断れない。そういう奴なのだ。
車を一時間以上飛ばし、信之のアパートの近くの駐車場に止めてから、部屋へと向かう。通りから信之の部屋を見上げれば、窓から明かりが漏れていて、それを見てほっとした。
ドアの前に立ってインターホンを鳴らそうと指を伸ばし、ふと、思いついて引っ込める。スマホをポケットから取り出してLINEを繋いだ。
「今、なにしてる」
打ち込んで、送信する。ややあって、TLに新しい吹き出しが生まれた。
『酒を飲んでる』
「一人でか」
『そうだ』
「今、家にいるのか」
『家だよ』
返信が早い事に安堵しながら、文を打ち込む。
「今から行ってもいいか」
そこで、信之からの返信が一度、途絶えた。
時間にしたら、ほんの数分だっただろう。けど、その時の数分はひどく長く感じた。
やがて、小さな吹き出しがぽこり、とTLに現れる。
『嫌だ』
予想していた答えではあった。宗茂は諦めずもう一度、文を打ち込む。
「なんで」
『会いたくない』
「俺は会いたいんだが」
『どうせ、また仕事で会うだろう?』
「俺は今、会いたい」
『駄目だ』
ああ、これは駄目だ。宗茂は天を仰いだ。
天岩戸の如く閉ざされた鉄の扉を、宗茂は肩を竦めて、見る。けれど、ここまで来て引き下がる気にはならなかった。それに多分、
(今、開けなければ、多分もっと拙い事になりそうだ)
宗茂はドアの横のインターホンを鳴らした。

インターホン越しに幾らか不毛な会話をした後、ようやく中からチェーンの外れる音がした。普段着のセーターにイージーパンツといった出で立ちの信之が、中から困ったような顔をして扉を開けたのと同時、その中へと体を滑り込ませる。
この機を逃しては、また締め出されかねない。慌てた様子の信之にぎゅ、と抱き付き、その背を幾度か撫でた。信之の髪と皮膚の匂いと、少し甘めのお酒の匂いが鼻先に届く。
ああ、これだ、と思った。これがここの所、足りていなかった。
まだ食事をしていない、と言う信之を半ば強引に連れ出し、宗茂は近くのファミレスへと向かった。戸惑う様に付いて来る信之の手を引いて、夜道を歩く。
(こいつはまだ、迷ってる)何とか、宗茂を拒もうと意識を懸命によそに向けているのが掌越しに伝わった。目も合わせない、顔も碌に見せない。だから、宗茂はつなぐ手にぎゅっと、力を込めた。
(駄目だ、そんな事は)
「今度、旅行に行こう。お前の行きたい所。どこでもいいぞ」
そう話し掛ければ、おずおずと信之が顔を上げる。
「お前がいないとどうも、つまらなかった」
「何が足らないのかな、と思っていろいろ考えて、あ、お前がいないからだな、と気づいたんだ。そう言えば彼女を捕まえるのにバタバタしててお前に長い間、会えなかった」
言葉がつるつると考える前に、口から出てきた。自分の心臓が僅かに跳ねているのが解る。少しばかり、緊張しているのかも知れなかった。
信之は黙って宗茂の、その言葉たちを聞いていた。
「だから、足りない分を、補充しないといけないな、と思ってな。二人でゆっくり旅行に行こう」
「……」
「補充させてくれ、お前を」
そう言って、宗茂は祈るような気持ちで信之を見つめた。
信之は、眉を寄せて困ったような表情でおろおろと視線を彷徨わせていたが、やがて小さく息を付き、
「わかった」と一言、言った。
その言葉に宗茂は小さく、ほ、と息をつく。
(首の皮一枚、繋がったか)
まだ機嫌は曲がったままだろうが、それでも最悪の事態は避けられた…気がする。後はどうにかこのクリスマスで、信之の気持ちを落ち着かせよう。
自分にも、信之にもお互いが足りてない。だからこんなにも落ち着かないのだ、二人共。
「じゃあ、約束だ。これが俺からのクリスマスプレゼントだ。メリークリスマス」
そう囁き掛ければ、信之の寄せられていた眉根が少しだけ柔らかくなった。


おわり
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